英語試験に賭ける(その1)

とうとう2000年になりました。今年は英語試験 (TOEIC & TOEFL) の受験指導を本業にするつもりです。そして意気込みも新たに、2000年1回目(1月30日)の試験を迎えたいところです。

年末年始の休み中にジャパンタイムズ編『リーディング完全攻略』を買って読んでみました。予想以上に良くできている参考書で、リーディングセクションの文法・語彙問題と読解問題のキーポイントがうまくまとまっています。もう1冊は TOEIC や TOEFL の問題を作成する ETS (Educational Testing Service) が初めて発行した TOEIC のガイド本です。副題が The Only Official Guide となっている通り、ETS 発行のガイド本はこれ1冊しかありません。公式ガイドですから、実際の試験問題とほぼ同じ問題が掲載されているのですが、残念ながら問題量もその解説もいまいち。

  1. ジャパンタイムズ編『TOEIC リーディング完全攻略』
  2. ETS TOEIC Official Test-Preparation Guide
ただし、公式ガイドは現在のところこれ1冊しかないですから、たぶん大勢の受験者がこれを購入すると思います。カセットテープ1巻付きで \3,000 で売っています。とにかく年度末の仕事や大学入試センター試験の監督業務などで忙しかったので、1月の試験に対しての準備はこれだけ。The Official Guide の Full-length Practice Test も試合前日に1回やっただけ。さらに試合会場が今回初めて調布の電通大になり、会場に行って見ると、恐怖の階段式大教室でした。

そして結果は以下のとおりです。

The 75th Administration - January 30, 2000
SECTION I SECTION II TOTAL PERCENTILE RANK
495 490 985 100.0

成績表のスキャン画像

第75回総合結果(受験者総数:69,325)
  SECTION I SECTION II TOTAL SCORE
最高点 495 495 990
最低点 25 5 30
平均点 307.2 257.8 565.0

成績表を見てびっくり。Percentile Rank が 100.0 になっています。ということは満点は取れなかったものの「公開英語試験で1番になる」という目標だけは達成かと思ったのですが、成績表と一緒にきた総合結果の一覧表を見てみると、今回は 990 の満点を取った人がいます。私の Percentile Rank が 100.0 なのに、なぜ私より得点が高い 990 の人がいるのかと疑問に思い、TOEIC運営委員会に電話で問い合わせてみました。するとその返事は、今回満点 990 の人はきわめて少なく、得点 985 の人の Percentile Rank は 99.9x と限りなく 100 に近く、Rank は小数点以下1桁までしか表示しないので、残りは四捨五入しました、という返事でした。

今回の試験のリーディングセクションで、私は分からなかった問題は1問もありませんでした。試験終了後の帰り道、本屋に立ち寄り、自分が少し解答に迷った問題を英和辞典で参照し、私の選んだ選択肢が正解であったことを確認しました。それなのに今回もどこかで失敗し満点を逃しました。まだまだ修業が足りません。

 
英語試験に賭ける(その2)

私の最大の弱点は長期留学経験が無いことです。いろいろな場面で(海外旅行中や就職の面接で)、Where did you learn English? という質問をされるのですが、私には In Japan. としか答えようがありません。夏休み中に英米の大学のサマースクールに参加したことはあるのですが、どれも短期のものなので、留学経験があるとは言えません。初めて海外に出たのも26歳のときで、2度目の海外はそれから5年後の31歳のときでした。

しかし、留学経験者に負けないように自分なりに努力はしたつもりです。NHKラジオ・テレビの英語講座、昔のFEN、カセット付きの英語教材、などを利用して学生時代は勉強しました。英語教員として学校に勤めるようになってからも、NHKラジオの英語講座は聞き続けました。それでも英語のリスニング能力は、留学経験者に比べて、劣っていたと思います。字幕なしでアメリカ映画を見た場合、普通の映画で50%の理解度で、アクション映画になると30%以下の理解度でした。

このような状態から、自分でもリスニングに少し自信が持てる状態にかわったのは、公開英語試験に参戦し、さらに参戦することをわざと周囲の人に知らせ、絶対に自分がリスニングで良い点を取らなくてはならない状態に自分を追い込み、自分でリスニングの訓練をしたのが、きっかけだと思います。テープやCD付きの教材を買ってきて、問題に集中して、必死になって、英語の音を聞き取る練習を何度も続けていきました。

私は TOEFL ではまだリスニングセクションで満点を取ったことはありません。一方、TOEIC ではリスニングセクションで満点の 495 を取りつづけています。この2つの試験の得点の違いは、この2つの試験の得点算出方法の違いに原因があります。TOEFL ではリスニングセクション 50 問中、全問正解しないと満点は出ないのに対して、TOEIC ではリスニングセクション 100 問中、全問正解しなくても満点が出るようになっています。過去に1度だけ公開された TOEIC の正解数と得点の換算表(この本は既に絶版)によると、正解数 95 くらいから満点の 495 が出るようになっています。したがって、5問くらい不正解であっても「リスニングセクション満点」になります。

「英語試験に勝つこと」=「英語試験で満点を取ること」を目標にして、過去一年間、試験会場をプロレスのリングに喩えて、戦いを続けてきました。そして2000年3月26日最後の試合日を迎えました。

The 76th Administration - March 26, 2000
SECTION I SECTION II TOTAL PERCENTILE RANK
495 495 990 99.7

成績表のスキャン画像

第76回総合結果(受験者総数:63,453)
  SECTION I SECTION II TOTAL SCORE
最高点 495 495 990
最低点 5 5 10
平均点 312.2 259.3 571.5

ついに目標の満点990を達成しました。しかし、Percentile Rank が気になります。1月の試験で Percentile Rank が 99.9x で小数点以下2桁目が四捨五入されて 100.0 になったということは、1月の試験の受験者 69,325 人中 0.05% 以下の 35 人以下が 990 点または 985 点を得点したことになります。これに対し、3月の試験の受験者 63,453 人中の約 0.3% の約 190 人が満点の 990点を取ったことになります。少なく見積もったとしても、150人以上が満点990を取ったと考えられます。

今回の相手(3月の試験)は弱すぎました。昨年3回、今年2回、対戦した中で一番弱い相手だったと思います。特にリーディングセクションのやさしさは、1月の選手とはレベルが下のジュニア・クラスの選手ではないかと感じられるようなものでした。試合には一応勝ったものの、相手がこれほど弱くては話になりません。私は3月で TOEIC のリングをいったん去ります。その理由は4月から毎週日曜日に仕事が入り、試合会場に行くことができないからです。そして暫くはホームグラウンドを TOEIC から TOEFL に移して、次なる目標に向かって行きます。 (このページが本になりました。


Copyright (C) Tsuyoshi Hasegawa (2000)